勝利の女神になりたいのッ!~第2部~


俯いたままテーブルを拭くことに専念した。


こんな態度じゃ佐和さんに申し訳ないって思うけど、頭の中で芽衣ちゃんの言葉がぐるぐると回っていて、どうしても行く着くのは男女のごにょごにょ講座で…。


考えちゃダメって打ち消しても打ち消してもごにょごにょ講座のおさらいを始めてしまう私の頭。

テーブルを拭いて逃げるようにキッチンに足を進めた。


キッチンに入った私は、勢いよく水道の蛇口をひねって、ジャブジャブと布巾を洗うことに専念した。


男女のごにょごにょ講座は何をしていても私の頭の中から出て行ってはくれなくて、大きなため息がこぼれた。


それに大人になるって言葉や頑張ってと言われたことに、段々プレッシャーを感じてきた。


頑張るっていったい何を?


そんな風に考えるとごにょごにょ講座は私の頭の中をどんどん侵食していく。


まずはお風呂から始めるんだよね?


一緒に入る時は、どうするんだっけ?


背中を洗ってあげながら、さりげなく体をすり寄せるだったかな?


湯船につかるときは?


わからない!


わからないよ~!!


思い出す内容がもしかしたら間違っていたり勘違いで残った記憶じゃないかとも思って、焦りや不安が広がる一方で、解らないことを考えても仕方ないじゃないって新しい考えも浮かんできて、開き直る私と焦る私が交互に頭の中に登場してきた。


だからごにょごにょ講座を思い出しては打ち消し、打ち消した先から気になって思いだそうとするを繰り返した。


そんなだから布巾を洗う手はスッカリ止まってしまって水道から流れ出る水の音だけが響いていた。


そして意識して見てるわけではないけど、水に打たれる布巾に視線を向けている私の視界の中に佐和さんの手が突然現れた。







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