勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
カチャリと音を立てて開く扉。
湯気で視界が遮られるけど、目の前には背中を向けて頭からシャワーを浴びる佐和さんの姿がぼんやりと瞳に映った。
大胆な行動をとってるなんて、その時の私には考える余裕すらなくて、そのまま佐和さんの背中にしがみつくようにして体ごと彼に突進すると、
「うわっ!」
衝撃をまともに受けた佐和さんは驚き、壁に手をついて自分の体制を崩さないように体に力を入れた。
高い位置で固定されたシャワーヘッドから落ちてくるお湯を全身に浴びながら佐和さんの背中に頬を押し付ける。
佐和さんの腹部に回した腕にギュッと力を入れて体を密着させた。
滴り落ちるシャワーの雫と滑らかな佐和さんの肌。
腹部に回した腕に彼の大きな手が触れて、私は自分の大胆な行動に驚いた。
「佐和さん…。」
こんなに大胆な事をしたのに、してしまっただけで何も考えてない私。
こんな風にお風呂に乱入してしまって後は?
いったいどうすればいいのか、焦るばかりだった。