勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
いつもなら私を安心させるために抱きしめてくれるのに、私に背中を向けてばかりの佐和さん。
訳のわからない行動ばかりとる私に呆れちゃったのかな?
嫌われちゃったのかな?
「紫衣、風呂…そのまま済ませてから出ておいで。」
扉の向こうから聞こえる佐和さんの声。
近くに来てくれないのは私を遠ざけたいから?
これ以上、佐和さんに迷惑を掛けられないって思ったから、
「はい…。」
返事をして、そのまま浴室に戻った。
芽衣ちゃんが一生懸命教えてくれたごにょごにょ講座の出番はなさそうだよ。
というよりは私には正直ごにょごにょ講座は荷が重い。
湯気の立ち込める浴室で自分の不甲斐なさにたくさん涙を流した。
泣くのは今だけって思いながらたくさん泣いた。
お風呂からあがったら何もなかったかのように普通に過ごそう。
佐和さんもその方がいいに決まってる。
余裕のないいっぱいいっぱいの、何をしでかすかわからない私に向き合うのって疲れるよね?
ごにょごにょ講座は芽衣ちゃんには悪いけど封印した方がいいよね?
ごにょごにょ講座を思い出すと自分を見失うような行動ばかり取っちゃうんだもん。
そうと決めれば、なんだかモヤモヤしていた頭がスッキリと晴れたような気分になった。
たくさん泣いたのも良かったのかもしれない。
体も心も、そして頭もスッキリとさせたのに…。
浴室の扉を開けたら佐和さんが両手を広げた状態で立ってた。