勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
「赤ちゃんの名前、考えてくれましたか?」
だから話題を変えたくて三成に赤ちゃんを差し出して聞いてみた。
「重家。」
「重家ですか?」
三成には本当に重家という名の子供がいた。
三成が敗戦し処刑された時、まだ少年だった重家は助命されて仏門に入ったと残されている。
この子が重家。
「いい名前です。」
「俺が決めてしまってよいのか?」
「あなたが一人で決めたわけではないのでしょう?」
「まぁ…そうだ。」
歯切れの悪い返事にくすくすとわざと声を立てて笑った。
名前はきっと彼の父親、正継さんと相談していると思ったけど正解だ。
優しい三成だから、勝手なことはするはずがない。
「重家、あなたは重家ですよ。
パパがとっても良い名前をつけてくれましたよ。」
明るく話しかける私にホッとした表情を浮かべる三成。
だけどすぐに変な顔をして首を傾げた。
「ぱぱとはなんだ?」