勝利の女神になりたいのッ!~第2部~


「今までの佐和さんの行動がよくわかりません。」


悩んだ末に出てきた言葉はとてもストレートな言葉で、日頃から会話がうまく出来ない自分を悔やむしかなかった。


だから、もっと補足しなきゃいけないって思うのに言葉がみつからなくて言い切った状態のまま自分の情けなさに唇を噛みしめて俯くしか出来ずに頭上から落とされる佐和さんのため息を吐き出す音に肩がピクリと跳ねた。


聞きたい内容に間違いはないけどもう少し言い方ってものがあるはず…。

ストレートすぎやしませんか?


佐和さん、気を悪くしたよね?


そんな気持ちに言葉探しを邪魔されて益々何て言ったらいいのかなんてわからなくて、プチパニックな私に、


「紫衣、ごめんな。」


佐和さんの申し訳なさそうな声が聞こえた。


「佐和さんが謝ることなんて何もない!」


首をふるふると横に動かしながら私は必死に佐和さんに言葉を返す。


「けど、行動の説明は多分これから先少しずつわかっていく事だから俺の口からはしたくないんだ。」


ギュッと抱きしめられた佐和さんの腕の中で彼の言葉を聞いた。


それが佐和さんの都合の良い誤魔化しじゃないっていうことは十分に伝わったから、私は彼の背中に自分の手を回してギュッと彼を抱きしめ返した。


行動の意味を知ることが出来なくても、佐和さんが私を想ってくれているのがわかったからもういい。


たくさん迷惑かける私の隣でいつも笑ってくれているから、それでいい。






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