勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
長い裾を翻して優雅に廊下を歩く。
はずが…。
「うきゃっ!」
裾を踏んずけて前のめりに体が傾く。
「はぁ~。」
横から聞こえるのは桔梗さんの盛大なため息。
ガックリと肩を落として足元に視線を向けたままシズシズと廊下を進んだ。
思いのほか時間がかかってしまった私がお見送りの場所に着いたのは三成がもうすでに馬に跨った時で、駆け寄ろうとして一歩を大きく踏み出す私の手を取る桔梗さんはギュッと力を込めた。
「ウォッホンッッ!」
わざとらしい咳払いに視線を向けるとギロリと横目で私を睨みつける桔梗さんが視界に飛び込んできて、
「おしとやかに…。」
睨んだまま笑みを浮かべるというとても恐ろしい顔のままポツリと告げられた。