勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
おしとやかに、おしとやかに…。
シズシズと廊下を進む私を後ろからギュッと抱きしめる逞しい腕。
三成なの?
だけど違和感を感じた私は瞬時に体が固くなっていくのを感じた。
違う!
違う違う違う!
彼の甘く爽やかな香ではない香りに包まれる。
誰?!
その腕から逃れようと体を捩る私の耳元に寄せられる唇。
嫌っ!
「逢いたかったよ。」
やめてっ!
首筋にかかる吐息に体が震える。
離して!
「ずっと逢いたかった。」
触らないで!
「誰にも渡さない。」
助けて!
「もう放さないよ。」
嫌っ!
嫌よ…嫌っ!
三成、助けて!
怖い!
怖い怖い怖い!
誰か助けて!
「っ……嫌――――!」