勝利の女神になりたいのッ!~第2部~


日々特訓に疲れ果てる私は朝餉の時間とお見送りの時にしか三成に逢えなくなった。


夜は私が眠ってから帰宅する三成。


起きて待ってるつもりが睡魔に襲われあえなく撃沈。


昨夜も今日こそはと意気込んでいたのに、


「おはようございます、紫衣様。」


また紅葉さんの声で目が覚めた。


「おはようございます、紅葉さん。
今日の予定はどうなっていますか?」


「今日もお見送りまでは同じでございます。
その後の予定は予行を行うと聞いております。」

「予行ですか?」


「はい。椿がそう申しておりました。」


「わかりました。では支度が整いましたら朝餉の部屋に向かいます。」


「殿にそうお伝えしておきます。」


襖を閉めて部屋を出て行く紅葉さんの背中を見送って、着替えの準備にかかる。


何だか仰々しいけれど日常全てが私にとっての訓練で、正直肩が凝って仕方なかった。


着物を準備していると朱里さんと松さん、静さんが部屋に入ってきて手早く着物を着せてくれた。

もう着物にも慣れてきて1人でも楽に歩くことが出来る。


言葉使いだって大丈夫。

食事も優雅に綺麗に食べられるようになった。


重家の母親としての振る舞いも威厳のあるものになった。


でも結局はどんなに訓練して動きが洗練されても私の人間性が変わる訳じゃない。


そこが大きな問題になっていた。









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