勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
勢いよい立ち上がり掴まれた両手をぶんぶんと振り払った。
「「何故です。」」
ハァハァと肩で息をする私に詰め寄る桔梗さんと椿さん。
さすがに双子だけあって声も行動も揃ってて息がピッタリ。
なんて感心してる場合じゃなぁい!
気がつけば私の前に壁のように立ち塞がる2人。
ズザザザザァと慌てて後ろに後退して逃げたけど、私の背中は壁に突き当たった。
「姫様。」
「紫衣様。」
「「そんなに逃げねばならぬほど私達をお嫌いなのですか?」」
迫り来る2人を目の前に、だけど私の背中は壁にピッタリとくっついて逃げ場がない。
ギュッと一度瞼を固く閉じてからカッとその瞼を持ち上げた。
そして人差し指をピンと立ててグッと前に突き出し桔梗さんと椿さんを睨みつけた。
「馬鹿なこと言わないで!私は三成様の妻なのです。
桔梗さんも椿さんも大切な彼の家臣ではありませんか。
彼を裏切る事は許しません!
あなた方も私も彼の為にここにいるのではないのですか?」
お腹の底から声を張り上げたからゼェゼェと息が切れる。
「合格だな。」
緊迫した空気を破るようにして部屋に現れたのはさっき部屋から出て行った紅葉さんで彼はパチパチと拍手をしている。
「え?……」