勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
怒ってたよ、だけどね…。
嫌いってすぐに言っちゃうよ、だけどね…。
嫌ってなんかないっ!
いつもいつも驚かしてくれる椿さんも意地悪馬鹿な紅葉さんも、嫌味いっぱいな桔梗さんも…。
「大好きなの。
本当はいつも助けてもらって感謝してるの。
いなくなるなんて嫌だよ…。」
溢れる涙をそのままに私は三成の瞳を見つめたまま言葉を紡いだ。
ゆらゆらと揺れる三成の姿。
瞬きをすると瞳に溜まっていた涙がポロリと零れ落ちた。
「ちょっと妬けるな…。」
三成は私にだけ聞こえるように耳元で囁いて、そっと両頬を大きな掌で包み込んだ。
そして私の目尻から流れ落ちる涙に唇を押し当てる。
「泣くな。」
止まらない涙を親指で拭って困ったように眉を下げる。
「ごめんなさい。」
取り乱した事を急に恥ずかしくなって頬に添えられる彼の手に自分の手を重ねた。
けれど不安は拭いきれない。
紅葉さん達の事…
ちゃんと知りたい。
訴えるように三成を見つめると、彼は私をギュッと抱きしめてから言葉を紡いだ。
「どこにも行かない。
すぐに屋敷に戻ってくる。」
「え?」
「お前が最後まで話を聞かなかったからいけないのだよ。」
「??」