勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
だって屋敷にはいないって…。
城に向かうって言ってたじゃない。
「人の話は最後まで聞くものだ。」
ため息混じりの三成の声に、さっきまでの会話を思い出す。
そういえば…。
朱里さんの言葉を遮っちゃった?
「朱里、続きがあったのであろう?」
「………はい。」
って……え?…えぇ?
私の早とちり?
それっぽい…。
っていうかそうに違いない。
遠慮気味に返事をする朱里さん。
彼女がとても言いにくそうに言葉を並べていく。
「紫衣様を怒らせ、責任を感じた3人は屋敷を出て城に向かうと申しておりましたが、私が止めました。」
「じゃ…じゃぁ今はどこにいるの?」
「はい、修行を兼ねて薬草取りに山へ…。」
「山?」
「はい、普段薬草を取りに行く山に頭を冷やすと3人で向かいました。」
って…え?
えぇ?
私の早とちりだよね?
出てっちゃったんじゃないんだよね?
って…。
「えぇぇぇ――。」