勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
一気に捲くしたてるように話をした。
軽蔑されちゃったかなって心配になったけど、これが本音なんだもんと開き直ったから気分はスッキリ。
驚いたのか目も口も開いたまま静止する朱里さんにニッコリと笑みを送った。
「あ…あの…」
「ん?なに?」
「わかりました。」
「へ?」
「それならば話は早ぅございます。」
「??」
「紫衣様、お願いがございます!」
ズイズイと私に近付く朱里さん。
私との距離がこれ以上は詰めれない程近付くと私の手をギュッと握り締めて頭を下げた。
「なに?」
スッキリしたと油断していた私は朱里さんの迫力に完全に圧されていた。
けれど朱里さんは私の様子なんてどうでもいいとでも言いたげに話し出す。
「宴には秀吉様がいらっしゃいます。」
朱里さんはその先の言葉は何も言わなかった。
たったそれだけで私にも朱里さんの言わんとすることが理解できた。
三成の妻うた様のように私も秀吉に連れて行かれるのではないかという心配をしているの?
「だからと言って私は三成様の側を離れる事はないわ。」
絶対に離れない。
「勿論それは承知してます。
けれど相手は秀吉様なのです。」
「関係ないわ。」
だって私は三成の妻なぬよ。
三成の妻が秀吉に仕えるなんておかしいもの。
「紫衣様がうた様と違う事は皆が理解しています。
けれど秀吉様がどんな風にされるのか行動次第によっては事が重大化するやもしれません。」