勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
紅葉さん達は悲壮感を漂わせて謝るけれど三成はくすくすと笑い声を立てている。
そんな三成に困った様子の紅葉さん達は次に私に視線を向けて、もう一度深く頭を下げた。
「奥方様にも本当に申し訳ないと…「もうやめてっ!」
改まって謝られても困るよ。
毅然としろって言ってくれてた。
大変なお客様が来るって事も言ってくれてた。
なのに私が鈍いから紅葉さん達を不安にさせ続けていたのでしょ?
「謝らなきゃいけないのは私なんだよ。
紅葉さん達はたくさんヒントをくれてたのに…」
「ひんと?」
「そぅヒント!」
「はぁ…。ひんととはどのような物ですか?」
ずっと黙っていた桔梗さんが口を開いて私はやっと気がついた。
ヒントって…
「暗示の事!」
「暗示…ですか…」
「そうよ。
みんなは私にハッキリとは言わなかったけど心配している事がどんなことなのか、さりげなく伝えてくれてたのでしょう?
その暗示を私は全くわからなくて困らせたのでしょう?」
「はぁ…。」
「だから謝るのは私の方なんだよ。」
そりゃね。
他に方法がなかったのって言いたいけど、それだって左近さんに言われてたんじゃ仕方ないよね。
「それにね。心配してくれてありがとう。
でもね。大丈夫だから…
私の大切な人は1人だけだから…
何があっても離れないから…
みんなとずっと一緒にいたいって気持ちも絶対に変わらないから。」
一気に言葉にしたら、なんだかストンと肩の荷がおりたように軽くなった。
「だから…私の方こそごめんなさい。
大嫌いなんて言って…本当にごめんなさい。」