勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
「皆、部屋から出てくれ。」
気持ちを全部吐き出した私の耳に聞こえてきたのは紅葉さん達からの言葉ではなく、三成のもので
「はっ!」
部屋にいた全員が頭を下げて部屋から出て行った。
なんで?
私、紅葉さん達と和解出来た感がないんだけど?
「え?あのッッ!………………ちょっ……。」
引き止めたくても言葉すらちゃんと出てこない私の視界には閉められた襖が映り、パタリという音も聞こえた。
どうして?
横に座る三成を見つめる視線は多分不服さを滲ませていたはず。
なのに、三成はくすりっと笑って私を抱き寄せた。
困惑しながらも不服に思う気持ちがどんどん膨らんでいく私は愉快そうに笑う三成にちょっとばかし腹を立てて彼の腕の中から体を捩って逃げ出した。
「何が可笑しいのですか?」
「何をそんなに怒っているのだ?」
「私の質問が先です!」
「別に可笑しい訳ではない。」
「じゃあ、何故笑ったの?」
「だから何が不満なんだ?」
「私の質問が……――んっ………」
言葉は三成の唇に塞がれてしまった。
角度を何度も変えながら触れる唇。
離れてもすぐにまた引き合うように重なる唇。
「んっ………はぁ…」
離れる度に私から漏れる吐息は少しずつ甘く色づいていく。
「はぁ……み…つな…り…さま…」
長い長いキスから解放された時には彼の名前もまともに呼べないくらいに息が苦しくて、でもとても心は穏やかで…。
なのに体は熱く、ふわふわと宙に浮かんでるような浮遊感があった。
「どうして?」
やっと言葉を紡げるようになって話しかけても、
「なにが?」
彼は妖艶に微笑みながら私の額に掠めるように唇を落とす。
「三成様?」
「なんだ?」
「私を放さないで下さいね。」