勝利の女神になりたいのッ!~第2部~


色んな感情は全て彼のキスで溶かされてしまったように、私の唇を割って出てきたのは一番彼に伝えなければいけない大切な気持ちだった。


三成も私を目を細めて見つめてから、その腕を私の体に巻き付けるようにして強く抱きしめると、

「たとえ誰であろうと紫衣を譲る気持ちはないから安心しろ。」


低く強さを持つ声で私の心に応えてくれた。


三成の言葉で私の心は棘々しさがなくなり、より穏やかになっている。


ずっとさりげなく伝えられていた、ちょっと厄介な来客というワードが小さい棘になって心の隅っこに刺さっていたのかもしれない。


やっぱり恐れていたのかもしれない。


三成にキスで翻弄されて最初に出てきた言葉が私の一番心配していたこと。


「あなたは見抜いてたの?」


彼の胸に埋めていた顔を上げて話しかけると、


「お前達のすることくらい容易に想像はつく。」

ハッキリとは言わないけど肯定の言葉が返ってきた。







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