勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
全てお見通しだったんだ。
宴に対する私の不安も、紅葉さん達の行動も全部三成には解ってたんだね。
だったら紅葉さん達の行動も私の気持ちを試すのではなく、吐き出さすためのものだったんじゃ…。
「あのッッ!」
ハッとしたように顔を上げて話す私に三成は、
「その通りだ。」
頷きながら言葉を掛けてくれる。
本日、何度目になるんだろう。
穴があったら入りたい。
ソッと心で呟いて恥ずかしさに彼の胸に顔を埋めた。
「腹が減った。」
そんな私に掛けられる三成の声は笑いを堪えているのか少し震えていて、だけど助け舟のようなその言葉を逃してしまうのはもったいないよね?
「すぐに用意してもらえるように手配してきますッッ!」
三成の腕の中から飛び出して立ち上がり部屋をでようと足を踏ん張る。
だけど私の腕は一歩も踏み出せないままガシリと三成に掴まれた。
「三成様?」
「よい、先に紫衣を食べてから飯にする。」
一気に体温が上がって頬が真っ赤に染まるのがわかった。
「あんなに可愛い事を言ってくれたのに、このまま見過ごすのは紫衣に失礼だろう?」
妖艶に微笑む三成は色っぽくて吸い込まれそうな深い漆黒の瞳から目が逸らせない。
「では、いただこうか」
三成の囁きを耳が擽り、私は彼のぬくもりに包まれた。