勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
私のように良君がこの時代に時を越えてくるなんてありえないって思っている。
だけど、私がここに来たように良君が誰かの手に導かれたら?
いらない心配なのかもしれない。
だけど胸騒ぎが続いている。
重家を授かって私達は家族になった。
守りたいという気持ちも一層強くなった。
「三成様。」
「ん?」
「三成様。」
「どうした?」
呼べばすぐに声が返ってくる。
私の側で息をしている三成。
生身の三成。
「愛しています。」
彼は書物の中の人物ではない。
私を抱き締める腕も
触れる唇も吐息も
全部守りたい私の大切な人。
「愛しているよ。」
甘い言葉も私の耳に心地良く届く。
私達が育んできた愛の証が重家。
それはまだまだ小さな蕾。
大切に守りたいと願う蕾。
この先花開くまで二人で守りたいと強く願う蕾なんだ。