勝利の女神になりたいのッ!~第2部~


「紫衣は…紫衣だったら三成の為に何をするんだろ。」


ポツリと呟く芽衣ちゃん。


歴史を知る紫衣。

私が入れ替わりたいと思ったのは紫衣が歴史を知っているからという理由だけではない。

お兄ちゃんの歴史を嘆き、お兄ちゃんをとても好きだという紫衣の気持ちがお兄ちゃんを救ってくれると思ったんだ。


「お兄ちゃんを助けたいって思ってたお姉ちゃん…紫衣だから、きっと今の私達以上に色々考えてるはずだよ。
お兄ちゃんの側でとても幸せそうに微笑んでいたから、その幸せを続かせたいって望んでくれてるよね?」


「そうだな。とても幸せそうだったな。」


池に映った2人の姿を思い出して幸せな気持ちになる。


「だからこそ私達は私達に出来ることをしなきゃいけないんだよ。」


「芽衣はそのために旅行を計画したんだろ?」


「そうよ…。
石田が何を考えているのかを知りたいと思ったの。」


初めて聞かされた旅の目的。


「良君が何?」


心がざわざわと騒ぎ出した。


「実はこの旅行は石田が以前…紫衣に逢ってから回った場所を辿っているの。」


どういうことなの?

良君が行った場所を辿るって事に何の意味があるの?






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