勝利の女神になりたいのッ!~第2部~


クネクネと曲がるカーブの続く山道。


窓に寄りかかったままギュッと閉じた瞼。


頭の中も心の中も悲しみに覆われていく。


寝た振りを続けながら涙を堪えるために唇を噛みしめる。


だけど、私のことは全てお見通しなのか車が止まる度に佐和さんが私の頭を撫でながら話しかけていた。


「唇を噛むな、傷つけるな。」


何度も何度も繰り返す佐和さん。


だけど…。


だけどね、佐和さん。


怖いよ。


怖いんだよ…。


だってわからないんだもの。


佐和さんが何を思っているのか…


佐和さんがどうしてそんなに不機嫌なのか…


もしかして私が何かしちゃって嫌われちゃったのかなって思うと…


怖くてたまらないんだよ。


どんなに嫌われても私は佐和さんの側にいたい。

佐和さんと離れるなんて考えられない。


だって…。


佐和さんが好きなの。


どうしようもなく好きだから…。


だから怖いの…。


怒っててもいいから側にいさせて欲しい。


私を離さないで!



佐和さん…






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