勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
考えれば考えるほどわからなくて怖くなる。
堪えきれず流れ出す涙。
佐和さんに泣いてると知られたくないのに震える肩が泣いていると気付かせてしまうんじゃないかって思うのに止められなかった。
「ハァ――…」
何度聞いただろう佐和さんのため息。
彼の疲れたようなため息に一層心が暗くなる。
もう止められない涙がまた流れ落ちた。
だけど佐和さんはそんな私に何も言わずに車を降りてしまった。
止められた車はエンジン音もなくとても静かで、不安と寂しさが一気に膨れ上がった。
宿に着いた訳でもない様子で、車外に視線を向けると車が数台止められる駐車場で佐和さんは少し先にある児童販売機きにまっすぐ向かって歩いている。
喉が渇いたのだろうか。
だけど宿じゃないんだと思うとガッカリしてしまう。
宿に着くと嶋田さんも芽衣ちゃんもいるはずで、今の重苦しい空気を変えてくれるんじゃないかって期待していたから…
だけど、そんな考えをする自分が情けないとも思う。
だから知りたい。
佐和さんが何を考えているのか…
何がいけなかったのか…
それを知らなきゃいけないって思う。
悪いところは治さなきゃ、彼を失いたくないから…
私は知らなきゃいけない。