勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
待ってという言葉を発する前に塞がれた唇。
いつもより激しい口付けに体は熱くなるのに、心の中はどんどん不安で染められていく。
佐和さん…。
何かあったの?
私、あなたの側にいていいのかな?
ずっと一緒にいたいって思いは持ってちゃいけないのかな?
「ん…フ…ンン…」
何度も角度を変える口付け。
唇が離れる一瞬に漏れる甘い吐息。
熱に溶かされてこのまま一つになりたい。
そうすれば今の不安もなくなるんじゃないかと漠然と考えていた。
「集中して…。」
そんな私の考えをよむような佐和さんの言葉に、ドキリと胸が高鳴った。
「まだ余裕があるのか?」
一旦唇を放し、私を見つめながら不適に笑う佐和さん。
その姿は妖艶でカッと体が熱くなり、恥ずかしさに彼から目を逸らした。
「まだだよ。まだ放さない。」
熱い眼差しに捉えられソッと瞼を閉じると鳴り響く携帯の着信音。
「チッ…」
甘い雰囲気をかき消すようにけたたましく音を出す携帯に佐和さんは舌打ちをして私から離れた。