勝利の女神になりたいのッ!~第2部~


「たくさん子を作ろう。」


三成が優しく微笑んで私に話しかけてくれる。


「赤ちゃんが好きなのですか?」


「紫衣をずっと愛していたい。」


「?」



三成の言葉に私は意味がわからないと首を傾げる。


「他の男を見ていられないくらいに紫衣を愛して、俺の子を産み続けるんだ。」


「え?」


それってずっと妊娠して出産して…


「そんなの私の体がもちません!」


想像するだけで身震いがした。


「俺はこれから屋敷に戻れない日もあるだろう。」


「だからって浮気なんかしません!」


「あなたこそ城にはたくさん綺麗な人がいるんじゃないんですか?」


「たくさんいる。」


ニンマリと笑う三成。


「秀吉様のお膝元、綺麗な女はわんさかといる。」


売り言葉に買い言葉で言っただけなのに、



「イヤだよ…。」



悲しくなって涙が溢れた。







< 24 / 354 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop