勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
だけど佐和さんは困ったというよりは満足そうにニッコリと微笑んで、
「そんな紫衣だから好きなんだけど」
サラリと言った言葉はとても嬉しい言葉で、だけど恥ずかしくて顔を真っ赤に染めるとニヤリと笑った佐和さんが私の頬を両手で包んで顔を近づけてきた。
「あわわ…」
綺麗に整った顔。
だけど、ちょっぴり唇の端が片方だけ持ち上がってるよ。
こんな時の佐和さんは要注意!
私だって少しは成長してるんだもん。
きっと何か私が困るような事を思いついて笑っているのかも…
それか、私が恥ずかしがることを言わすつもりか聞かすつもり?
「ストップ!待って佐和さん!待って下さい!」
その手には引っかからないぞと思って私も佐和さんの頬に掌を添えて包み込み静止してみた。
けど…。
「紫衣からキスしてくれるの?
やけに積極的だな。」
佐和さんの言葉に恥ずかしくなってパッと手を引いた。
「残念、たまには紫衣からキスされるのも悪くないって思ったのに」
耳元で囁かれた声にカッと全身が熱を持つ。
結局阻止するどころか心臓はバクバクと激しく動き、恥ずかしすぎてドキドキがどんどん加速してる。
きっと全身真っ赤に染まってるんじゃないかな?
頭から湯気が噴き出すんじゃないかって思うほど体温が上がってる。
「恥ずかしすぎます」
だから思わずポロリと零れた言葉に佐和さんはクスクスと笑い声をたてた。