勝利の女神になりたいのッ!~第2部~


ーーちゅっーー…


耳に響く音にピクリと肩が揺れる。


「可愛いー…」


甘い声の後は耳朶をかぷりと佐和さんの唇が優しく噛んで


「ふー…ャ…アン…」


信じられない位に甘い声が私の唇から零れ落ちた。


「ヤバッ…紫衣、可愛すぎる…」


「佐和さ…」


言葉の続きは佐和さんの唇に塞がれて彼の口内に飲み込まれた。


「ん…フ…ンン…」


何度も角度を変えて重なる唇。


スルリと入ってくる佐和さんの舌の動きにどんどん体が熱を持ってしまう。


とろけるような甘い口付けに私はくったりと体の力が抜けてふにゃふにゃになった体を佐和さんの腕で支えられていた。


「悪い…苦しかったか?」


肩で息をする私をぎゅっと抱き締めながら言葉を掛ける佐和さん。


「こんな時に限って邪魔が入らないなんて、嶋田は何をやってんだ。」


「佐和さん?」


「止められなかった、ごめんな紫衣。」


激しい口付けは苦しかったけど、とっても気持ちよかった。


だけど、そんな言葉を言えない私はふるふると首を横に振って佐和さんの唇に自分の唇に重ねた。

驚いたように目を見開く佐和さんの顔が新鮮で、頬が緩む。


「あんまり煽ってくれるな」


これでもギリギリなんだぞってぎゅうぎゅうと私を抱き締めてから額にちゅっと音をたてて小さな口付けを落とす佐和さん。


ホテルに来るまでと来てからの不安はもう解消されていた。


いつもの私達に戻れてるよね?


不安いっぱいだったけど、私は佐和さんを信じる。


信じられるだけの人だと尊敬出来る。


だから…


「大好きです」


佐和さんの背中に手を回してぎゅうっと彼に抱きついた。







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