勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
「では、今までのおさらいをいたしましょう」
ニヤリと笑ったまま桔梗さんが紡ぐ言葉に私はガックリと肩を落とした。
これって、着せ替え人形の方がまだ疲れなかったかも...なんて言葉を口に出来るわけもなく、けれどちょっぴり抵抗の意味も込めて
「まずは衣装を選ばなくちゃ」
そういって立ち上がった私の目の前に差し出された衣装箱。
「もう全て整っておりますよ」
椿さんの言葉に私は更に肩を落とすことになった。
「もう諦めろ」
まるで容赦のない紅葉さんの言葉。
どうやら私が天の助けだと思っていた椿さんの登場は地獄への門だった。
そのまま昼餉が終わるまでみっちり復習を兼ねた振る舞いの試験を受け、
「さすがは好みを把握していると豪語するだけの事はありますわ」
ぎゅぅぎゅぅと帯を締められながら菊さんの言葉を聞いた私はちょっぴり恨めしい気持ちになった。
宴の時間まで数時間という時刻になり、着物を着換えた私は部屋でしばし休憩をとっている。
少しくらい休憩しないと本当に宴どころじゃないくらいに疲れてしまうよ!!
だからゆっくりと部屋で過ごしていると、
「紫衣、入るぞ」
なんだか偉そうな声が襖の向こうから掛けられた。