勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
どうすれば秀吉の機嫌を損ねずに場を治められるかなんてわからない。
三成にチラリと視線を向けると彼は首を横に静かに振った。
キッパリと断れと?
本当にそうする方がいいのか、それとも私の解釈が間違ってるかもしれないと思い、次に桔梗さんに視線を向ける。
桔梗さんもニッコリ笑顔のまま軽く首を横に振った。
飲んではいけない。
そういうことなのかな?
「あの…申し訳ありません。」
「なんじゃ?」
「私はお酒は飲めません」
「わしが勧めておるのにか?」
断っても引き下がらない秀吉。
そんなに飲ませたいのかな?
「お酒を頂くと重家が酔っぱらってしまいます」
思い切って授乳中だからと話してみたら、秀吉は一瞬目を見開いて、
「ぶはっ」
飲みかけていたお酒を豪快に吐き出してしまった。
「大丈夫でございますか?秀吉様」
手拭いで秀吉の顔をソッと拭いながら声を掛けると秀吉は私の肩に手を置いて豪快にガハガハと笑い出した。