勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
私たち二人がそんなやりとりをしている間にも三成は秀吉に勧められるままにお酒を飲んでいたのか、気がついたときには三成は紅葉さんに寄りかかるようにして眠ってしまっていた。
「殿!!」
「三成様!!」
桔梗さんと同時に立ち上がり三成の側に行くと苦しそうに顔を歪めた三成が紅葉さんにぐったりと寄りかかり支えられていた。
「これはいかん。ちいと飲ませすぎたかのう...」
三成の側には愉快そうに話す秀吉の姿。
「どうかしっかりしてください」
三成の側に寄って声をかける私に桔梗さんが声をかける。
「紫衣様はこのまま殿と一緒に退席してください。後のことは私たちが..」
その桔梗さんの言葉を遮るように秀吉が口を挟んだ。
「これ、そこの女。三成を部屋に連れて行ってやれ。奥方様はここでまだわしらの相手をせねばならんでのう」
って...。
三成は紅葉さんに託して私がここに残るってどういうこと??
一瞬頭が真っ白になった私は何も言葉が出なかったけど、私に変わって桔梗さんが慌てた様子で口を開いた。
「秀吉様、殿のお世話は紫衣様でなくては務まりませぬ。この席のお世話は私たちが...」
「主が不在の場合奥方が場を仕切るのは当然のこと。口を挟むでない!」
有無を言わせぬ口調の秀吉にさすがの桔梗さんもそれ以上は何も言えずに口を噤んだ。