勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
清正には椿さんがついている。
だから必然私は秀吉の相手をしなければならない。
人柄のよい印象の秀吉だから臆することなく彼の側に座って向かい合った。
「申しわけありません」
まずは三成が退出したことを謝る私。
「よいよい、三成もそなたや重家のお披露目に少し浮かれていたのであろう」
絶対にそんなことはないのにというような秀吉の言葉に心の中で悪態をつきながらも深く頭を下げた。
三成が最後までこの席に同席できなかったのは秀吉が呑ませたから以外の理由なんてない。
他の人にならお酒を勧められても絶対と言っていいほど断っている。
断れなかったのは秀吉だからじゃないの!!
ムカムカとする気持ちを押し込めてにっこりと微笑んだ。
「あいつは酒に弱すぎる。普段から呑まないからいざというときに潰れてしまうんだ」
腹立ちを押さえる私に追い打ちをかけるのは清正。
とても楽しそうに話しかけてくる。
「本当に申しわけありません」
怒りを押し込めて清正にもにこりと笑いながら謝る私。
冗談じゃない!!
本当はそんな風に怒鳴ってやりたい。
でもそんなことは出来ないことくらいわかっている。
宴の席は私には居心地の悪い我慢大会の場に変化した。
好き勝手言われて、大切な三成を馬鹿にされても微笑みながら謝らなきゃいけないなんて...
苦痛以外の何ものでもないよ!!