勝利の女神になりたいのッ!~第2部~


「その必要はない」


強く掴まれた腕が痛い。


「何故です?!お見送りをするのは私の務めです。放してください!!」


清正の思いとおりになってなんかやるもんですか!!


ひるんではいけないと威嚇しながら言葉を放つ私に清正はニヤリと笑って口を開いた。


「この部屋に俺一人にしてまでお前が見送る必要はあるのか?」


「すぐに戻ります。秀吉様は三成様の大切なお客人です。お帰りを見送るのは大切なことかと思いましたので...」


「では俺は大切ではないと聞こえるが」


「そんなこと思っておりません!」


「しかし、気の強い女だな」


「それはどういう...というかお見送りに行きたいと申し上げました」


「必要ないと言っただろ?」


「どうして清正様がそんな風におっしゃるのか意味がわかりません」


清正が良君に似ているからか、どうも調子が狂ってしまう。


本来、こんな風に生意気な口を叩けないのはわかっているのに口が勝手にポンポンと言葉を紡いでしまう。


「秀吉様は人の良いお方ではないぞ」


「おっしゃる意味がわかりません」


「どうして俺を残して帰ったのか話をしてやろうか」


「どういう意味ですか?」


「本来一緒に帰るべき俺をここに残していった理由だ」


「本来はやっぱりあなた様も一緒にお帰りになる予定だったのですね」


「そうだ」


それって清正が勝手に残ったということではないと言っているようなもの。


どういうこと?







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