勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
部屋に強引に入ってきた清正。
あの時は清正がどんな人物かなんて知らなかったからびっくりしたんだ。
イメージとは少し違ったけれど、そのことよりも良君とそっくりだって事に驚いたのを覚えている。
「はい、古い友人です」
元彼なんて言ってもわからないだろうし、それを口にすることがいけないことくらいわかるから、あえて友人と言った。
「今は何をしている?」
「わかりません。ずっと逢っていないから..ずっと遠くにいるから」
「そうか...」
「その者が好きだったのか?」
「好きだけど嫌いな人です。でも感謝しています」
「よくわからん」
「はい」
以前逢ったときは清正とは挨拶を交わしたくらいでこんなに話をしなかった。
どちらかというと福島正則の方が私に絡んできていたんだ。
清正と二人っきりというのは緊張するけれどチャンスかもしれない。
先々確執が生まれるであろう三成と清正の間を取り持つことが出来たら...
それは歴史を変えてしまうのかもしれない。
でも私にとって恐れる歴史を変えてしまえるかもしれないのなら怖くない。
「あの..清正様と正則様は中がおよろしいのですか?」
「あぁ、幼少の頃からの付き合いだからな」
「では三成様はいつから?」
知っているけど、まずは聞いておきたい。