勝利の女神になりたいのッ!~第2部~


「同じように秀吉様の小姓時代から一緒だ」


「そうなのですか」


「けど、あいつとはことごとく意見が合わない」


「それはどうしてですか?」


「三成は頭が固いんだよ」


「そんなことありません」


「それに武芸もそれほどではない」


「けれど、学問はとても得意です」


「俺たちは理解し合えない」


「そんなことありません。それぞれが仕事を分担し、得意分野を受け持つことですべての物事を効率よく円滑に進めることが出来るのが理想です」


「武功がすべての世の中だ。武功を立てられぬ奴に何も価値はない」


「きっと先になると私の言った意味がわかるときがきます。その時に少しだけでもいいので私の言葉を思い返してください」


不機嫌を隠さない清正に私は真っ向から言葉を紡いだ。


言いたいことは言えたから満足。


いつの日か歴史通り三成と清正の確執があるかもしれない。


でも、それも仕方のないことだと思うようにしよう。


三成は三成の生き方を、清正は清正の生き方を貫いていけばいい。


ずっと心配だった二人の事をそんな風に思えるようになった。


私はずっと三成の理解者でいたい。


そうありたいと思う気持ちだけで十分だと思える。



















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