勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
絶対絶命の大ピンチに体を強ばらせる私の肩をガシッと掴んでゆさゆさと揺さぶる紅葉さん。
「何かされたのか?何を言われた?大丈夫なのか?答えろ紫衣!何があった?」
矢継ぎ早に投げかけられる言葉にも反応出来ないくらいに
「ぎ…ぎもぢわるい…」
揺さぶられすぎて気分が悪くなった。
「紅葉、姫様の目が回ってしまいますよ。」
既に目は回ってるんだけどね。
っていうか、シェイクされすぎて気分悪くなってるんだけどね。
気を抜いたら胃の中から逆流しちゃいそうなんだこどね。
「あ…悪い…」
桔梗さんの言葉にハッとして急に掴まれていた肩から紅葉さんの手が放された。
クラクラと目眩がして胸もムカムカと込み上げるものがある。
気分の悪さに滲む目をギュッと瞑るとポロリと涙が零れ落ちた。
フラフラな体を桔梗さんが支えてくれて優しく背中をさすってくれる。
「大丈夫ですか?姫様」
手の動きも声も優しいんだけど、桔梗さんの表情を見て、私の眉間には深く溝が刻まれた。
そして極めつけは桔梗さんの言葉だった。
「お可哀想に…」
言葉は優しく響くけど、顔がニヤニヤと笑っている。
まるで言葉と態度が正反対。
「思ってもないことを口にしなくてもいいよ」
だから思わず言ってしまった。
余計な一言を…。