勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
「清正が言ったのか?」
詳しい内容を聞けないまま紅葉さんの質問タイムに突入しちゃったよ。
こうなると私が質問しても答えてなんかくれない。
いつも紅葉さんには勝てないというか彼のペースになっちゃうんだよ。
「そう秀吉が三成様を酔い潰したのには目的があるって話してくれた」
「ふーん」
「これまでも何度も城に連れてくるようにと言われているのに三成様がそれをずっと断ってきていたと、だから酔い潰して失態につけ込むように話をするとは断れないだろうって」
仕組まれてたって言われたことをそのまま話すと
「そんなこと知ってたし」
紅葉さんはニヤリと笑って応えてくれる。
「知ってたって?」
「そんな魂胆見抜けない俺たちじゃないし」
「じゃあどうして呑ませたの?」
気付いていたのなら止めてくれれば良かったんじゃないの?
そんな疑問を持った私に紅葉さんは不敵に笑ったまま応えてくれた。
「そろそろ面倒だから紫衣を城に連れて行こうと思っていたから」
「それじゃ三成様は紅葉さんたちにもはめられたってこと?」
「人聞きの悪い言い方するなよ」
「そうじゃない!」
ひどい!!
こんなのってないよ!
みんなわかってて止めないなんて、助けないなんて...
「三成様が可哀想じゃない!」
なんだか無性に腹が立って部屋から出たいと思い、立ち上がった。