勝利の女神になりたいのッ!~第2部~


桔梗さんの言葉は私の気持ちを惹きつけるのにとても効果的だった。


三成が追い詰められるってどういうことなんだろう。


誰に?


やっぱり秀吉に?


聞きたいことが表情に出ているのか私を見て頷く3人。


「紫衣をいつになったら城に来させるのかと言われ続けていたんだ」


「そんなに大変ならもっと早くに教えてくれたら良かったのに...」


「そうもいかないんです」


「それは殿の意思に反しますので」


「察しろよ。阿呆紫衣」


順に桔梗さん、椿さん。


そして最後の暴言はやっぱりな紅葉さんの言葉。


「確かにそうだけど...何も言われなかったらわからないよ」


「その通りですね」


「申し訳ありません」


「鈍いんだよ。阿呆紫衣」


「それで今回は秀吉の魂胆がわかっていたけど、見て見ぬ振りをしたと言うことなの?」


それにしても酷いよね?


わかっているなら私にでも教えてくれたら良かったのに...。


「教えたらお前は殿に酒を飲ませないようにしただろう?」


その通り。


当然止めたと思う。


頷く私に大きなため息をつく紅葉さん。


「そんなことしたら殿に恥をかかせることになるってわからないのか?」


「でも、それでも三成の意思は守れるじゃない!」


「立場を潰すことはとても大変なことになるのですよ」


紅葉さんの言葉に反発する私を宥めるように言葉をかけてくれる桔梗さん。


三成の気持ちよりも立場が大切だなんて私にはわからないけど、身分や位を重んじる時代には大切なことなのかもしれないと漠然となら理解は出来る。







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