勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
私の言葉に紅葉さんはポカンと口を開けて
「紫衣様は意外に大物になるやも知れませんね」
桔梗さんが楽しそうに口を開いた。
武功がどうとか言っていたけど、結局は自分にないものを持っている三成をかなり意識しているから絡むんだよ。
三成もそう。
清正の強さに惹かれるものがあるから意識しちゃうんだよ。
清正にも言ったけど、これからは一緒に足りないところを補い合って生きていければいいのに...。
意地っ張り同士っぽいから相当時間がかかるかも知れないけど気付いてくれたら、この先2人が争うようなことにはならないんだよね。
「三成様の頭の良さと清正さんの腕の強さを一緒にしちゃえば誰も太刀打ちできないのにね」
仲良くして欲しいという願いを込めて言葉にすると
「そんな単純なものではないと思いながらも姫様が言うと本当にそうなりそうな気がします」
椿さんも笑ってくれた。
今はこれでいい。
三成の周りに過剰に清正を嫌ったり退けようとする人を作らないことが大切。
当人たちよりも周りが溝を作るっていうのもあるのかも知れないし。
「きっと先々仲良くなれるよ」
私は3人に向かって言葉を掛ける。
確信出来る訳じゃないけど、言い切る事で願いが現実のものになるかもしれないし、願いではなくそうでなきゃいけないって強く確信できるものね。