勝利の女神になりたいのッ!~第2部~

私の返答に三成は微笑み、その後で私を抱きしめながら言葉を紡いだ。


どうして謝るの?


途中で退席しちゃったから?


「謝らないで下さい」


「一人にしたくなかった」


「はい...」


三成が私を一人残して部屋を出たことをとても悔いているのはわかる。


「でも、大丈夫でした。それどころか清正様と二人で話が出来て私は良かったって思っています」


「何もなかったか?」


「何かがあるはずがないではありませんか」


不安そうにする三成ににっこりと微笑みながら返答すると彼は大きく息を吐き出した。


凄く心配してくれてたんだね。


それだけが嬉しくて仕方ない。


「清正様とは三成様のことを話していたのですよ」


「どうせ良くない話だろう?」


眉間にしわを寄せて顔を背ける三成。


普段見れない少し拗ねたような仕草が可愛いなんて口に出せないけど胸がきゅんと高鳴った。


「堅物だとか頭が堅いとか...」


「ふんっ!」


そっぽを向いてしまう三成に笑いを堪えながら話を続けた。


「私には清正様は自分にないものを持っている三成様を羨ましいって言ってるようにしか聞こえませんでしたよ」


「は?」


「それは三成様も同じだと思っているのですが...違いますか?」


「.......」


「だから清正様に言いました。」


「何を?」


「お互い得意なことを頑張ってお互いの苦手なところを補い合うことが出来たら素晴らしいって、そのまま思ったことをお伝えしました」


「.......」


やはり私の話を聞いて理解できないという風に眉間に深いしわを寄せる三成。


その反応も想定内。


だって清正も同じように難色を示したのだから...。


出世を第一に考えるとお互いを補い合うなんて理解できないのかもしれない。










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