勝利の女神になりたいのッ!~第2部~


「乱世は長くは続きません。頂点に立つ指導者がいて、それを支える家臣。それらが得意な分野でそれぞれ活躍出来るような政治をおこない国を統治するのが効率的だとは思いませんか?」


「.......」


「武功を立てることが全てではありません」


「........」


「今はまだ理解できないかもしれませんが、きっと先の世では武だけでは国を治めることなんて出来ないって三成様も気づいていると思います。そうではないのですか?」


「それは....」


「清正様にも同じ事をお話ししました」


「アイツが素直に聞く耳を持つとは思えない」


「今はそうかもしれませんが、言い続けていれば、いつかわかってくれると信じています」



大きなため息を吐く三成。


呆れられたかな?


出過ぎた真似をしたって叱られちゃうかな?


出過ぎだって自分でも思うし叱られても仕方ないって覚悟してるけど怖い。


「ごめんなさい。出過ぎた真似をして...」


叱られる前にって思いも手伝って結局謝ってしまう私。


私が暮らした時代と今は違う。


旦那様に意見をするなんて許されない時代だから私のすることはいけないことなのかもしれない。


不愉快な思いをさせてしまったなら...


これで私を嫌いになったら...


そんなの耐えられない。


だけど、この先きっと起こるってわかっている清正との溝を埋めないまま見過ごすのも嫌。










< 285 / 354 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop