勝利の女神になりたいのッ！～第２部～

「紫衣はいつも俺を困らせる天才だな」


「ごめんなさい」


「俺が他の女を抱くと、そう思うのか？」


「........」


「紫衣をいらないと言うと思うのか？」


「.......」


「それとも紫衣がこんな情けない俺に愛想を尽かしたのか？」


「ち..ちがっ..」


「たとえそうだとしても俺はお前を離してはやれない」


彼の腕の力が強くなると同時に私の胸も熱くなった。


「じゃあ、私でいいの？」


三成に意見をする妻だけど、私のまま受け入れてくれるの？


「驚かされるのには慣れた。それにお前の意見は誰のそれとも違う」


「それは...」


「お前が未来から来ているからだろう？」


「はい」


「お前の時代では当たり前の行動なのだろう？」


「はい」


「それを受け入れられないほど器に小さい男だとお前は思っていたのか？」


「いいえ...。でも私がいけないって思ったから...」


「誰もお前の行動を駄目だと指摘してないはずだが」


「はい」


「ならば考えすぎだとわかるか？」


「はい」


三成の言葉はわかりやすく私の胸に響いた。