勝利の女神になりたいのッ!~第2部~


翌朝目を覚ますと三成は珍しくまだ眠っていた。


いつもなら私の方が目覚めるのは遅い。


お酒の影響かな?


清々しい朝。


大好きな人の腕の中で目覚める幸せに浸っていると襖の向こうから左近さんの声がした。


襖を開けるなんて行動はとらないってわかってはいるけれど、自分の姿にハッとした。


昨日そのまま寝ちゃったから...

生まれたまんまの姿で布団にくるまる私と三成。


「殿、よろしいですか?」


だから左近さんの声に私が応えた。


「待って、待って左近さん。ちょっとだけ待って」


焦って言葉を掛ける私に左近さんの笑う声が聞こえる。


恥ずかしいよ......。


これじゃぁ昨夜、その..愛し合ったって言ってるようなものだものね。


「左近か、支度をしたらすぐに行く」


「そのことですが秀吉様の使いの者が今日は休むようにと書状と共に伝言を持って参りました」


「で、その使者は?」


「もうお帰りになりました」


「わかったとにかく準備をしてすぐに行く」


「はい、お待ちしております」


二人は淡々と会話を続けて終わると左近さんの足音が遠ざかっていく。


「あの...」


三成は左近さんにすぐに行くと言ったのに私の体に腕を回してくる。


戸惑う私に


「秀吉様がせっかくくれた休みを有効に使わねばな」


そんな風に微笑むから


「待って下さい」


その腕から逃れようと必死に体を捩った。


焦る私を見下ろす三成、その顔じゃ意地悪に笑みを浮かべている。


私の顔の横に両手をついて動けないようにするから視線を泳がせる私に近づく三成の顔。


そのまま耳元に唇を寄せて


「昨夜は少し手加減が出来なかった」


そんな風に囁くから一気に体が熱くなった。


きっと顔も真っ赤に違いない。


服を整えるまもなくそのまま眠りに落ちたのがその証拠で、そんなこと口にしなくてもいいのにと恥ずかしすぎて消えてしまいたいって思った。






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