勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
シャワーコックがキュッと音を立てた。
一応身体の隅々まで綺麗にしたつもり。
バスルームの全身鏡に体を映してくまなくチェックしてバスタオルにくるまった。
今夜はちゃんと考えてるんだ。
その...あの、男女のごにょごにょ講座は一切考えないって。
いつもいつもおさらいしようとして空回りしていた私。
もう失敗したくないし佐和さんを困らせたくない。
無自覚だったけど...
ごにょごにょ講座のことで頭がいっぱいの時は私は私じゃないような気がする。
とらわれ過ぎて暴走しちゃって
「きっと佐和さんたくさん困ってたよね」
洗面の鏡に映る自分に問いかける。
だから今夜はすべて佐和さんに委ねてしまおう。
芽衣ちゃんには悪いけど、知識がないなら今から実戦で覚えればいいよね?
「よしっ!!」っと気合を入れて下着を身に付けたところで問題発生!!
今回の旅行の荷物は芽衣ちゃんが用意してくれたもので、普段私が身につけないような物がたくさん入っていた。
ご丁寧に手紙付きで...。
下着ももちろん普段の私の身につけているものとは違って、なんていうのか...少し布が小さい気がする。
というか明らか小さい。
色も淡い色の物を選ぶ私の趣味と違って赤や黒、紫にと派手な色遣いにたくさんのレース。
下着にももちろん抵抗はあるのだけど、もともとブラジャーやショーツなんて身につけないところから、ここに来て戸惑いながらも慣れたものだし今では下着をつけない方が落ち着かないと思えるくらいだから色や布の小さいのは我慢できる。
問題は下着じゃなくてパジャマだ。
普段は夏はショートパンツにパーカーという露出していても足だけになる洋服を着て寝てるけど、芽衣ちゃんが用意してくれたのは丈が短く、布の薄いベビードールというパジャマだった。
「こんなの着れない」