勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
ベビードールを両手で持ち上げて広げてみる。
まじまじと見てもその布が長くなるわけでもなく、分厚くなるわけでもないけど身につけるのを躊躇してしまう。
「布団に入って暴れたらきっとパンツ見てちゃうよ」
一人ぶつぶつ呟きを洩らしながらそっとベビードールに袖を通した。
頭から被ってストンと体に沿って布が落ちていく。
でもやっぱり短い。
それに下着が透けて見えちゃう。
「無理だ...無理無理!!」
首をふりふり呟いても、これしか着るものはないし...
困り果てていたときに見つけたホテルの浴衣。
洗面台の横に置いてある籠の中に綺麗に畳んで入ってる浴衣。
「これって着てもいいのかな?」
まさに天の助け!!
今身につけてる不安定な布で出来ているベビードールよりもずっと着慣れてる浴衣。
置いておるものは好きに使っていいって佐和さんも言ってくれていたし。
私はベビードールの上から浴衣を羽織ってきちんと帯をしめた。
寝るためのものだから帯も簡単なものだけど身体がしゃんと引き締まった気がして、それにとても懐かく感じた。
ベビードールを脱がなかったのは芽衣ちゃんの行為を無駄にするのが申し訳なく思ったからで、正直抵抗あるけれど可愛いものを身につけるのは嫌じゃない。
佐和さんがいるから恥ずかしいだけで部屋でなら着てもいいかなとも思ったんだ。
だから脱がずにそのままにした。