勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
随分待たせちゃったのにまだこんなによくしてもらって申し訳ない気持ちになりながらも嬉しかった。
「ところでどうして浴衣なの?」
「え??」
「芽衣ちゃんパジャマ忘れてたのか?」
だから油断してた。
気持ち良すぎてすっかり油断しちゃってた。
まさかここで浴衣姿のことを言われるなんて思ってなかった。
「そうじゃないけど...」
でも本当の理由は恥ずかしくて言えないしうまく誤魔化すこともできない私。
「ホテルの浴衣じゃ和服っていうのもおかしいかもしれないけど紫衣は和装が似合うよ」
私の様子がおかしいって思ってくれたのか優しく声をかけてくれる佐和さん。
「着てみたかったんです..浴衣」
だから便乗させてもらって本当の理由は隠したまま髪を乾かしてもらった。
乾かし終わった佐和さんがドライヤーを片付けに行っている間にベビードールを脱いでしまおうかと思ったけど、そんな時間ないし...。
よくよく考えると、私今夜佐和さんと...
いくら無知な私でも浴衣を着たままじゃいけないことくらい知ってる。
ってことは浴衣脱いだら...
「ダメダメ!!それだけはダメ!!」
焦って声に出した私に
「何がダメなんだ?」
佐和さんに尋ねられた。
「え??」
「どうした?」
「いえ..」
理由なんて言えない!!
恥ずかしすぎる!!
だから何も言えなくなって俯く私に
「紫衣、俺焦ってないから...」
そういって私の頭をぽんぽんと撫ぜてくれる佐和さん。
って...
そうじゃなくて
そうじゃないよ