勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
「でも、しばらくは安心だな。」
「どうして?」
「重家にちゃんと見張るように言い聞かせておく。」
「重家に?」
「母が浮気をせぬよう見張っているようにな。」
「そんなことしなくても浮気なんてしません!」
「では母を攫おうとする不埒な輩を成敗するよう言い聞かせるとしよう。」
真面目な口調の三成に私はニッコリ微笑んだ。
「では私は重家が大きくなったときに城で誘惑されないように父を見張っているように言いつけておきます。」
「重家は生まれたときから重責を背負っているのだな。」
「はい。」
その時、すやすやと眠っていた重家が泣き出した。
「イヤだと言って泣いてますよ?」
私は重家を抱き上げてゆらゆらと揺らしてあげた。
「重家は母を独り占めして幸せ者だ。」
ちょっぴり拗ねたような三成の口調に私の顔がほころんだ。
「たくさん愛してあげます。
重家は私の宝物ですから。
あなたと一緒にこれからずっとこの子が花開かせる、その時まで重家を大切に育てます。」
「うむ。」