勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
誤解させちゃうようなこと言った私が悪いんだよね?
佐和さんはダメじゃないのに...
むしろ私も望んでることなのに...
「ち...違うんです」
「いいから」
「本当に違うんです」
「喉渇いただろう?」
誤解を解こうとしても聞いてくれない佐和さん。
そのまま冷蔵庫を開けて中からペットボトルを出してきてテーブルに置いてくれた。
「紫衣は今のままでいいんだよ」
そんなことない。
「俺は紫衣が側にいてくれたらそれでいい」
それじゃ私がダメなの。
「水分取ったらベッドに入ろうか」
一緒に?
同じベットに?
「今夜は疲れてるだろうから紫衣はこっちのベット使って」
「嫌っっ!!」
心の中では叫んでるのに声にならなかった。
やっと声になったのは佐和さんの優しさを否定するような言葉で涙が浮かんでくる。
情けない自分が嫌い。
どういてうまくいかないんだろう。
どうしてうまく言えないんだろう。
「ごめんなさい」
だから謝ることしかできなくて俯いたまま唇を噛みしめた。
「紫衣?」
困惑顔の佐和さん。
困らせてるってわかってるから目の前が霞んでくる。
だけど泣いたらもっと困らせちゃうって思うから唇を噛みしめてグッと堪えた。