勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
恥ずかしくない。
恥ずかしくない。
恥ずかしがっちゃダメ!!
自分に暗示をかけるためにぎゅっと瞼を閉じて佐和さんの言葉を待つ。
恥ずかしくないって頭の中で何度も呟いて、だけど体は恥ずかしさから燃えるように熱い。
体だけじゃない。
体中の血液が顔に全部集まったかのように頬も熱を持つ。
きっと真っ赤になってるんだろうな。
燃えるように熱いのに頭の中はちょっぴり冷静で、だから佐和さんの反応が怖くなった。
「ぷっ...」
ドキドキと鼓動が大きく聞こえる耳に入ってきたのは噴き出すように笑う佐和さんの声で、そのまま私は彼の腕の中に閉じ込められた。
ぎゅっと抱き締められて緊張がほぐれていくのがわかる。
佐和さんの腕の中で彼の体温を感じて、彼の胸から聞こえる規則正しい心音が私を落ち着かせてくれる。
だけど落ち着くと気になるのは微かに震える彼の体の揺れ。
小刻みにふるふると揺れているのはどうして?
「あの…ーー…佐和さん?」