勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
佐和さんとの幸せな未来を想い描かないことはない。
数奇な巡り合わせかもしれない、この出逢いを運命だと信じたい。
でも…
自分の幸せを追い求めて…
追い求め過ぎて、戦国の2人の事が疎かにしてしまったら…
想像するだけで恐ろしい事態を招く気がしてならない。
「私がここに来たのは、歴史を塗り替えるため…」
「あぁ、知っているよ」
「関ヶ原で西軍が勝利するため」
「そうだな」
「だから…」
「だから?」
「……………」
佐和さんを愛してはいけない…
言わなきゃいけない言葉が出てこない。
悲しすぎて…
喉に言葉が張り付いた。