勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
目が覚めた時は、夜が明け切れていない黒い空が話をしている間に白々と輝きだした。
「眠くないか?」
私の体を労るように優しくベッドに沈める佐和さん。
「少しだけ…」
不安だった気持ちが落ち着いた私は正直、とても瞼が重かった。
佐和さんは、クスリと小さく笑い声を漏らしてから私の髪を優しく撫でつける。
ベッドの中で佐和さんと一緒にぬくもりを共有し、優しい声と掌の熱を感じていると、どんどん瞼が重くなる。
「今日はチェックアウトの時間を気にしなくてもいいんだ。もう少し眠るといいよ」
とろとろと夢の中に誘われる私の額にそっと触れる佐和さんの唇。
その熱を感じてすぐに私の意識は途絶えた。
微睡むような優しい眠りの中に吸い込まれるように落ちていった。