勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
「ああ、予定通り島田と芽衣ちゃんは先に現地を調べておいてくれ」
ふわふわとした眠りの中で聞こえる佐和さんの声。
「ああ、無理はさせたくない。」
瞼に唇の熱を感じた。
「俺達はここにもう一日泊まることにする」
もう一日?
「ああ、先に行ってくれ」
先に行くのはどうして?
微睡みの中から佐和さんの言葉で驚いた私は瞬時に目を覚ました。
「ああ、また連絡する」
「あのッッ!佐和さん!」
佐和さんが携帯を閉じるのと同時に発した私の声。
間に合わなかったの?
先に行くって、決まっちゃったの?
「あの…」
勢いよく飛び起きたけれど状況が全くつかめない。
けれど先に行くとか、もう一日とか…
夢でなければ、私が寝過ぎたから招いたのかもしれないという思いに駆られ、背中がヒヤリとした。
「ん?」
ベッドの上に立ち上がるという間抜けな格好の自分に気がついたのは、佐和さんの声で我に返ってからだった。