勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
「佐和さんっ。さっき電話していたでしょ?」
首筋に口づけをされ震える体に力を入れて佐和さんに尋ねた。
大事なのは私が迷惑をかけないようにしなきゃってこと。
寝過ぎて出発を遅らせてしまったのなら、今でも充分迷惑をかけてしまってる。
「電話で先に行くようにって言ってませんでしたか?」
「………」
私の言葉に黙り込む佐和さん。
やっぱり私が寝過ぎてしまったから先に行ってもらったんだと思うと、
「私…すぐに準備を…」
勢いよく立ち上がり、腹部に激痛が走った。
「ッつ…」
立ち上がった瞬間に襲った痛みにベッドの上でしゃがみ込んでお腹を押さえる。
「無理させたくないんだ」
苦痛に顔を歪める私を包み込むように抱き締めながら佐和さんは言葉を落とす。
でも…
だからと言って、このままでは嶋田さんや芽衣ちゃんに迷惑をかけるなんて嫌だ。
けれど言葉にならなくてふるふると首を横に振った。