勝利の女神になりたいのッ!~第2部~


「言えない何かがあるのか」


何を言ってるんだ?紅葉さん。


「言ってる意味がわからない!」


紅葉さんの言葉に素っ気なく応えてフイッと顔を背ける私に紅葉さんの怒りのボルテージはぎゅんぎゅん音を立てて上がっていく。


「聞いてることに応えろ!」


って…
何かって何なんだと私の方が聞きたい。


「何かあるって何?」


だから思ったままを言葉にした。


そうとしか言いようがない。


夢を見たことがいけないのか。


だけど眠りの中で意識のないときにどうしろっていうのか。


やっぱり私には理解できない。


「何故清正の名前を呼んだんだ」


「夢を見たからだよ!」

「何故奴の夢を見る!」

「知らないよ!勝手に出てきたんだから!」


「何かあるんじゃないのか?」


「だから!その何かって何なのよ!」


「それは俺が聞いているんだろう!」


ギャーギャーと言い合う紅葉さんと私。


まるで話が前に進まない上に軽く頭痛がしてきた。


本当にいったい何なんだ!


私の安らか…でもなかったけど…とにかく!睡眠を返せ!!





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